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クマさんダイアリー:あかしあの花が咲く頃(続き)

 
 30年後 (続き)
 

「やあ、久しぶりだねえ~、クマくん、30年ぶりかな、あははははははははははは」

シワだらけの痩せた顔に肩まで伸びた白髪、見る影もないやつれようだが確かにワルトノだ。

どうして...

ワルトノはヤッター隊長が艱難辛苦(かんなんしんく)の末に倒した怪人だ。そう、あれから30年。その後ワルトノもヤッターくん達も姿を消したままで、誰もが彼らはもう死んだものと思っていた。

Dscf2238
 (今日のお話もフィクションです。)



 
ワルトノが一歩、二歩と近寄りあたりを見回しながら叫んだ。
 

「驚いたかい。死んだと思ってただろ?あの気流に巻き込まれたときは確かにもうだめかと思ったよ。」
 

ワルトノは私から目を離さない。老人とは思えない眼光の鋭さだ。
 

「お前にはずいぶん煮え湯を飲まされたが、こ~んなからくりがあったとはな!」

 
気流・煮え湯・からくり...、いったい何を言っているんだ?

無言の私にワルトノがまた一歩近づき、杖をつきつけるように叫んだ。


「そこの洞窟だな?」
 

「何のことだ?」まさかくるみの毛皮でも狙っているのか?私が洞窟をふりむいた
その隙に
 
「とぼけるな!」
 

杖をついた年寄りと油断していた。戸惑う私へ瞬く間に詰め寄り、黒いオーバーコートの懐から何かを出した。
 

Dscf2739 ポケットチェッカー?いや、違う!「スタンガン!」

「そうさ!」ピシュ~ゥゥゥ

稲光が全身を包んだ、ように思えたのだが、「ん?」「あれ?」

体はしびれなかった。
 
不発だったのか。もう一度と、身構えたワルトノだが私の突きで坂を転げる。転げながら懐から銃のような物を出し何か叫ぶのを見ながら、私は洞窟のかたわらに下がっている綱を力任せに引いた、
 

Dscf3025 がらがらがらがらがら
 

100あまりの岩石がふたりをまたたくまに飲み込んだ。


...
 

あまりの痛さにハッと目を開くと、手足は岩石にはさまれ、身動きがとれないものの、頭を動かすことができた。
 

くるみ!
 
振り向いて見上げると洞穴の入口はわずかな隙間ができている。...よかった。春になったらそこをかきわけ、外に出ることができるはずだ。
 

Dscf3052 坂の下では、不自然にねじれた手と足が岩の隙間から出ているが動かない。既に絶命しているんだろう。ほっとしたのも手伝ってか、頭がボーッとしてきた。腹に先のとがった太い杭がつきささり、じわじわ血が出ている。
 
「死ぬんだ」
 
そう確信したが、でも初冬夕刻の澄んだ空気に似た爽やかさだった。ワルトノと差し違えてくるみを守れたんだ。満足して死のう。

でも、まさか自分でしかけた人間よけのワナにはまるなんて...。
 

Dscf0277 春にくるみが見たら笑うかな。冬眠から覚めたクマは、去年の彼氏のことなんて忘れるんだろうな。

 
 
 

Dscf2244  目がかすんできた。眠い。あかしあの花、ふたりで見れなかったなあ。せめて、...起きてきたとき踏んづけないでくれよ...、

 
 
 
「ムギュウ」
 

『あ、クマくんごめんね。』(ガオー)
 

... くまみの体重を太ももあたりにもろに受け、その痛さで私は起き上がった。
 
暗がりの中、いつもの寝室...。
 
...。

  

リアルな夢だった。まだ岩石の感触や山の寒気が体中に残っている。トイレから戻ったくまみが、カーテンを眩しそうに開き、

 
『もう昼だよ。コープに行ってお弁当買うんでしょ。』
(ガォ...
)
 

Dscf2737 そうだった。デリブーコーナーではいま「お弁当を買ったらお皿があたる」キャンペーンをやっているんだ。私は身支度をはじめた。お弁当は昼前後にごはんの温かいのを買うのが一番いい。
 
 

『そして、おいしかったらブログに載せるんでしょ。』(ガ...)
 

くまみがまくしたてた。「え、あ、うん、おいしかったらね...」
 
「先に出てるよ!」( ...)
 
...くまみが人間の言葉を使っている...。お弁当にブログ...、そうだ、これがあたりまえの日常だ。...何の不思議もない。
 


 
脱いだパジャマの胸ポケットに違和感を覚え、中を探ると金属板が入っていた。
 
「これ...?」
「え?」玄関に進みかけたくまみが戻り、私の手からそれを取り上げ、桐の小箱にしまった。「静電気防止のプレートだよ。そこにあったんだあ。」
 
この時季は車に乗り込むときなど静電気に悩まされるくまみだ。そういう小物の準備はいつもマメにしているので、とくに何のことでもないのだが、...
 

「それ、スタンガンにも効く?」と私は何の気なく聞いた。急に不機嫌な顔をし、「知らない、さ、急いでいこう」くまみはすたすたと先にたって外を歩いた。

 
(おなかすいてるんだなあ...。)
 

Dscf3018 落ち葉の上にうっすらと雪が積もっている。夢と同じ...。寒さに肩をすくめながらコープの店を目差した。自動扉を抜ける頃には夢の出来事もくるみのことも忘れていた。
 

Dscf2147 コープの惣菜コーナー前。
「今日はどんぶりご飯でも食べようかなあ。」
 

 

つづきつづく
 

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