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クマさんダイアリー:あかしあの花が咲く頃

 
30年後

暗がりの中

くるみはじっと細い目をあけ、

まばたきもせずに私の顔を見つめていた。

ガオー(もういいよ)

細い声でそうつぶやいた。
 
Dscf2708

(今日のお話はフィクションです。)





くるみは爪で私の手を払うと少しずつ目を閉じ

ガ...オー(あかしあの...花が...咲いたらね...)

聞き取れないほどのささやきだったが、確かな響きだった。

静寂の中、ふたりの鼓動しか聞こえない。
 

少しずつくるみの寝息は一定のリズムを確かめるように

はずみ、眠り姫になった。
 

グゴゲガゴー、グゴゲガゴー、
かわいいいびきを繰り返すくるみのかたわらに

何本か、「あかしあはちみつ」のボトルが転がっていた。

私はその一本をくるみの枕元に置いて立ち上がり、

そっと洞穴(ほらあな)の出口へ向った。
 

Dscf2209 野生のくまはジューンブライドだ。ちょうどあかしあの花が咲く頃と重なる。

 
 
 
結婚をした雌のくまも冬眠をするが、冬眠のさなか

飲まず食わずで出産をし、赤ちゃんと一緒に春を待つ。
 

Dscf3020 歩きはじめたミーちゃんがおんもへ出たいと待っている...、

という童謡は、クマの子のために作られたような歌だ。

そして、冬も冬眠もいかに過酷なものであるかを想像させる。

ネズミなどの小さな侵入者にも絶えず気を許せない。最も危険な

侵入者は人間だ。
 

中国では"くまの手"が高級食材として珍重されている。

野生のくまが「手に蜂蜜を塗って冬眠する」というのは本当の話で、

冬眠中、腹がすいたときにくまは手をなめる。
天然はちみつエキスが手にしみついたくまの手は非常に美味らしい。
 

Dscf3018 くるみは身重ではない。それだけにかえって

外敵の侵入にも機敏に反応して戦えるかどうか不安だ。だから私は

「あかしあの花が咲くころ」まで...

ずっとこの洞窟を見守ることにしている。そう、命にかえても...。
 

洞窟を出ると初冬、蜜柑色の日差しが左斜めからさし、

Dscf2238ピンと張り詰めた空気が一本一本の冬毛を逆立てた。

だが、私の毛を逆立てたものは寒気だけではなかった。

坂を洞窟から20歩ほど下がったところに
 
その陰は右斜めに延びていた。
 

ワルトノ!?

「やあ、久しぶりだねえ~、クマくん、30年ぶりかな、あははははははははははは」 

 
(つづく)

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