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クマさんダイアリー:カラマツ林の頃

いまから30年後  
 

ささの茂ったカラマツ林をくるみとふたりでゆっくりと歩く。急に視界が開け、木漏れ日がまぶしい草原(くさはら)に出た。さっきまでの薄暗さとは別世界の昼間が広がっている。ただし、草原の向こうもやはりカラマツ林で、私は不思議の国のひと部屋に紛れ込んだような錯覚を覚えた。
 

P1000535 ガオー(すこし休憩しようか)

くるみは"部屋"の中ほどに倒れている丸太に腰をおろすと
はにかむように私を誘った。
 

 
 


「いつ言おうか」私はずっと迷っていた。
言ったところでどうなるものでもない。でも言わなければ私たち二人はこの先どうなるのか。
 

P1000533 ガオー(あー、気持ちいい。クマくん早くおいでよ。)

くるみはよく引き締まった太い首筋を空につきあげるように持ち上げると
つややかな黒毛の肩を左右に震わせ伸びをした。木々からこぼれる日の光に、生え揃った長い爪のひとつひとつ、うすら汗の一筋一筋が宝石のようにキラキラ光る。
 
ガオー(だいぶ歩いたよね。・・・ここ誰もいないね。)
 
じっと見つめる瞳。
 
くるみは黒く大きくて透き通った目をした幼顔の美熊だ。あれだけ笹の茂った山坂を歩いたというのに疲れも見せず、牙の隙間から吐き出す息さえ上気して楽しそうだ。


P1000541 ・・・私はくるみを誘ってキノコ採りに来ていた。私より遠目の利くくるみは次々にキノコを見つけては歓声を上げた。
 
ガオー(!)
「だめだめ。それは食べられないよ。」
 

P1000525
ガオー(またあった!) 
「だめだめ。それも食べられないよ。」

 
 

P1000529 ガオー(あ、ほら、おいしそう!)
「え~、それ毒キノコだよ。だめだめ」
 
ガオー(ちょっとくらい平気だよ。)
「だ~め」
 
ガオー(つまんないなあ)
 

P1000530 ガオー(あ、また!)
 
「え~っ。う~ん、それは大丈夫かなあ。」
 
 
 
そんなふうに、ずんずん山の中を進んで行った。鹿追う者山を見ず。
私は道がわからなくなったことにとっくに気がついていた。

 
ぽきっ。

ガオー?(ん、どうしたの?)
 
P1000534 私は今出てきた"けもの道"の出口に生えていた木の枝を折り、くるみの傍らに腰をかけた。私の浮かない顔にようやく気が付いたのか、くるみはけげんな顔をして今私が手に持った枝を見つめた。
 

ガサッ
 
 
「うわあっ」 向こうの林で木がゆれた。不覚にも私は大声をあげて身構えた。

ガオー(どうしたの?風で木が揺れただけだよ。)
 
「いや、くまでもいるかと・・・」

 
P1000532 ガガオー(何か隠してるでしょ。話してみて。・・・道に迷ったとか?)
 
「!え、いいや、まさか」
 
ガオー(やっぱり・・・)
 
図星だった。私が木の枝を折ったのは目印のつもりだった。これ以上迷うと、もう帰る自信はない。いや、すでに帰る手立てがない。
 

P1000543 くるみは黙り込んでしまった。
 
丸太に腰掛けると、体にたくさんの種がついているのに気がついた。太古の昔から草木はこうやってクマの体を利用して子孫を増やしてきたんだ。
 
 
昔のクマも道に迷っただろうか。
 
 
そういえばこのあたりの草木も変った。温暖化のせいだろうか。カラマツ林はあと30年後も今のままだろうか・・・。

 
 
グワッシュ(はくしょん)
 
 
またくるみがかわいいくしゃみをした。そう言えばくるみは少し風邪気味だった。
 
 
ガガオー(寒いわ。もう帰ろうか。七輪、持ってきてるんでしょ?)
 
「え?」
 
 

P1000553 くるみは立ち上がると、ひとかかえもあるカラマツの幹に爪を立て木登りを始めた。しばらく遠くを見ていたかと思うと、地面に降り、
 
ガオー(こっち)
 
短くそういうと、ずんずん笹をかきわけて、見覚えのある林道に出た。
 
私があっけに取られていると、
 
ガオーガオー(カラマツはね、元々北海道に生えていた木じゃないの。たくさん生えている場所が人の手が入った林よ。熊はみんな知ってることよ。さあ、お鍋にしょうね。たくさん食べてもらうからね。)
 

P1000539 くるみはにっこり笑って、ふろしきいっぱいのキノコを見せた。
 

「こ、これ、さっき捨てた・・・」
ガオー(大丈夫。熊はみんな知ってるのよ。)
 
 
「あはは、これおいしいね、あはははは。」
ガオー、ガオー(そうでしょう?おほほほほほほ。)
 
 

P1000618 ふたりは仲良し。お鍋は幸せな食べ物です。
  

 
 

 
鮭やキノコの入った秋のお鍋。コープで売っているキノコは山に生えているキノコほどの種類はないけど大丈夫なキノコばかりです。
P1000595 魚屋さんコーナーにはお得な鍋セットも売ってます。(山から採ってきたキノコはキノコに詳しい人間に見てもらってから食べるクマしてくださいね。)
 
 
  
※このお話しはフィクションです。(一部はくしょんですが。)
  登場するキノコのほとんどは食べられないキノコです。
 
http://www.oisi-blog.jp/2007/09/post_377e.html(ちぇっく)

http://www.oisi-blog.jp/2007/08/post_0974.html(セイタカアワダチソウ)
http://www.oisi-blog.jp/2007/10/post_95e8.html(次へ)
 

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