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羅臼の海洋深層水

  • 投稿日時: かかしひろと
  • 2009年9月30日 05:00
  • 農業賞

眠っていた地域固有の自然の資源=海洋深層水=の活用方法の研究により有効な利用法が開発されました。

こんにちは。かかしひろとです。

第6回コープさっぽろ農業賞の現地審査もいよいよ大詰めです。9月9日の未明。漁業大賞部門にノミネートされた羅臼町漁業協同組合(田中勝博代表理事組合長)を訪問しました。

海洋深層水(低温清浄海水)の活用で衛生面と漁獲物の鮮度保持をはかる画期的な取組みがされています。

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(根室海峡は沖合いに行くと日本では数少ない水深の深い海になりそこには海洋深層水が無尽蔵にあります)


海洋深層水は、「太陽光が届かず、また、表層の海水と混ざらない深さにある海水」を言います。通常は水深200mより深いところにある海水を海洋深層水と呼んでおり、海水の約95%を占めています。

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(定置網漁では氷と海洋深層水の按分をコントロールして温度管理をしています)

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(審査員を乗せた船が定置網漁に出発するところです。)

その特徴は


①低温安定性:表層水の水温は季節によって大幅に変動しますが、海洋深層水は太陽光が届かないため、一年を通して低温で安定しています。このことによって氷の使用量も削減されたそうです。

②清浄性:大腸菌や一般細菌による汚染がほとんど無く、微生物も表層水よりも少なく、清浄な水となっています。

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③富栄養性:太陽光が届かない深さなので、光合成が行われず、表層水に比べて、植物の生長に必要な窒素・リン・ケイ酸などの無機栄養塩が多く含まれています。


低温清浄水は沖合い2800m水深350m地点より取水しており、水温2~5度Cを維持しています。日量4,560tの海洋深層水を汲み上げて使用されており「低温」と「清浄性」を取り入れた羅臼漁港での衛生管理に用いられています。(サイフォンの原理でくみ上げる方法があるそうです)

 

農業にも利用されている海洋深層水


JAきたみらいで栽培されている「真白(ましろ)」。北海道では希少な白玉ねぎで、辛味が少なくて甘く、しゃきしゃきの歯ごたえで生食に最適。7月から出荷が可能。

この「真白」玉ねぎの栽培基準では、成長過程において「羅臼の海洋深層水」を希釈して「葉面散布」することが定められています。
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(市場荷さばき場では海洋深層水が流され続け、ほこりも泥もない衛生的な環境になっています。)
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(チェックシート)
羅臼の秋鮭

① 秋鮭は定置網の中から生きたまま魚倉にうつされます。

② 定置網は殺菌装置が搭載されており甲板上・魚倉、使用する海水も殺菌され、雑菌の除去と、繁殖を防いでいます。

③ 魚倉内は水温5℃以下に保たれています。

④ 計量後は海洋深層水と氷の入った水温2℃前後の専用タンクの中で保管されています。


農産物では「適正農業規範」というものがありますが、21項目ほどの秋鮭の衛生管理マニュアルは「適正漁業規範」の趣があります。羅臼漁協の取組みは魚の分野での「人が食べる食品」としての衛生・温度管理システム、優れた先進的な実践事例だと思いました。

平成19年度から秋鮭漁は全漁場で利用、刺し網漁業も鮮魚の出荷時に使用され、秋鮭の衛生管理マニュアル 食の安全・安心と鮮度保持、品質管理の徹底の大きな武器になっています。

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(蓄養施設)
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(清潔な施設)

市場施設内の荷捌き場は車の乗り入れは禁止され、海洋深層水が散水され続けておりきわめて衛生的な環境です。

2005年7月の知床世界自然遺産への登録の背景には、知床の自然と共生してきた地元漁業者の意識変革があったといわれています。漁港の施設では所定の事務所以外の禁煙が徹底されており、吸殻ひとつ落ちていません。漁業者、関係者の一人ひとりの意識の高さが伺えます。

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(羅臼の海洋深層水は缶容器で製品化されています)


続く

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