現代人が不足しているといわれる繊維質が豊富な野菜とい
えば「ごぼう」です。世界でゴボウを日常的に食しているのは
日本人だけだそうです。第二次大戦の戦時中、日本軍は捕虜
の食事にゴボウを使ったことがあるそうです。ですが、これが
戦後の軍事裁判で問題となりました。「木・雑草の根を食べさせ
られた。捕虜への虐待だ」というのだそうです。そのため、捕虜
収容所の所長は有罪となったといいます。ごぼうにまつわる食
文化の違いが生んだ笑えない話です。
こんにちは。 かかしひろとです。
いろんなエピソードをもつ野菜「ごぼう」ですが、日本人にとって
は、おいしく、体に良いうれしい野菜のひとつです。
北海道はごぼうの大産地。平成15年では青森、千葉、茨城に
次いで全国で4番目です。そしてその多くが網走・十勝管内で
栽培されています。その十勝の帯広市でごぼうを中心とした農業
経営をしているのが和田さんです。和田農園さんは農業生産法人です。
①平成9年7月に生産法人を設立しています
②事務所の場所:帯広市・基松町
③圃場の場所:帯広市・幕別町に広がります
④役職員:10名 パート・契約社員:11名
⑤本年の作付
合計 :95ha
内 ごぼう:44ha
内 馬鈴薯:30ha
内 長いも:16ha
馬鈴薯にはメークイン、レッドアンデス、インカの目覚め他があ
ります。そのほかきざみごぼう用の人参も栽培しています。
主な施設としては選荷場-2棟、倉庫-5棟、定温貯蔵庫-6棟。
トラクターも大きいものから小さいものまで13台も保有しています。
このような大規模な農家は十勝では少なくはないですが、ごぼう
を大面積で、主たる経営作物として作付をする生産農家は珍し
いかもしれません。北海道は全国で4番目のごぼうの生産県
ですが和田さんはそのうち44HAを栽培しています。北海道の
栽培面積(平成17年度)は682HAですので和田さんは北海道
のおよそ6.5%を占める生産者なのです。牛蒡だけでいうと和田
さんは日本最大の生産者かもしれません。
以前、事務所や施設と回りの畑を撮影した航空写真を和田さん
にいただきました。広大な畑の中に建つ施設が良くわかります。
* 写真 航空写真
概して北海道は大きな経営面積を利用して低コストで価格の安い
野菜を生産する「食糧基地」とされてきました。しかし、ここ10年
以上前から安価な中国産のごぼうが洪水のように日本に輸入さ
れました。そのため平成4年には北海道で1500HAあった牛蒡
の作付けが平成17年には682HAと半減してしまいました。
そんな状況の中で和田さんは「安価な牛蒡」を生産するのではなく
「良質な牛蒡」を生産して販売するという信念で我が道をいくのです。
もととなる生産基盤の土に適切な有機質を施すなどコストをかけた
経営をしています。それなりの生産コストがかかっているので価格
の安さだけで仕入れを行うところとは取引が成立しないのです。
そのために和田さんは新しい販路を開拓しました。和田農園さ
んの「ごぼう価値」を、きちんと評価する売り手の確保です。売り
先のバイヤーに商品の品質を伝えきるための継続した努力も
しています。また小売側がその商品をお客様に、きちんと伝える
ことで、お客様からも評価をいただける小売業者との長期契約です。
さらに生鮮野菜で使用される牛蒡のほかにこんな商品もあります。
ある大手コンビニのおでん用のごぼうとして。あるスーパーのデリカ
素材として。トドックの冷凍コロッケの特選素材として。また帯広の
六○亭の季節の和菓子の特選素材として。こうしたことが成立する
のは「商品に違いがある」ことをユーザーが認めているからに違い
ありません。
*写真はごぼう、蓮根、たけのこ、人参、サヤ豆、
干し椎茸を用いた伝統料理「うま煮」
続く
組合員のための情報誌 「ぴあっと」 11月号
2007VOL.106
●裏表紙 和田農園のゴボウ
http://www.coop-sapporo.or.jp/member/piatto/index.html
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