第4回コープさっぽろ農業賞の現地審査。10番目最後の訪問地
は、“ニシパの恋人” トマトでおなじみの平取町です。平取町では、
昨年165戸の農家でトマト出荷額が30億円を超え、平取町の農
業生産額の6割を占めるまでになりました。いったいどんな取り組
みをしてきたのでしょうか。
こんにちは。 かかしひろとです。
JA平取町のトマトについて、産地形成のきっかけ、産地特徴、
品種、栽培方法、推進体制などについてまとめてみました。
厳格な品質保持を核にしてブランドを形成してきました。
①昭和46年お米の減反政策から、野菜への転換として当地の
気候(雪はそう深くなく春、初夏の日照があり、夏は海に近く
高温になりにくい)にあった大玉トマト栽培に取り組んだのが
きっかけでした。
②日高山系の沙流川は過去3年連続、「きれいな川第一位」に
選ばれるなど(国土交通省)すばらしい地域環境があります。
https://www.mlit.go.jp/river/question/faq_index.html
もちろん水だけではなく、土質もトマト栽培に適応しました。
*沙流川の清き流れ
③作りやすさで新品種を選ぶのではなく、より味に優れた従来
品種を選定。桃太郎であればなんでもいいということではなく
20種以上あるなかから「元祖桃太郎」「ハウス桃太郎」「桃太
郎エイト」の3品種にしぼって作型含めて、難易度の高い栽培に
挑戦しています。
JAの共同育苗施設で「あえて」自根苗を育て生産者に供給。
品種特有の個性を引き出すようにしています。
さらに収穫を6段目で終了させトマトの樹の体力を確保し
ての生産にこだわっています。
こうした平取ならではの栽培管理を確立しました。
*3品種の断面写真(味で選ぶ)
消費者との交流を継続、加工で付加価値
①コープさっぽろ組合員と共同で実施する収穫体験では、参加者
から「トマトもトマトジュースもこんなに味が濃いとは思わなかった」
「昔食べたトマトの味」などの声があがる。
②過去からの組合員交流の歴史の積み重ねもあり、今年から
コープさっぽろの「産直認定」をうけ生協のP.Bにもなった。
今年は6月23日の旧道央エリア組合員の産地訪問が行われた。
③トマトジュースという用途でいち早く加工の分野を手がけて
付加価値を生み出す道内でのモデル事例。ケチャップなど
市販品より値が張る加工品も全国の生協では安全を売り物に
好調な売れ行きを示す。ゼリー、ジャムなどのほかに今年から
「とまとしょうゆ」も平取ブランドで、ある大手のコンビニでは
「平取トマト」使用のスパゲッティも登場した。
安全安心は当たり前 常に先の課題を見つめる
①安全・安心の取り組み 2000年(平成12年)には、当時できて
間もない道の認証制度「北のクリ-ン農産物表示制度」のYE
S!cleanを取得し、環境保全型のトマト栽培に北海道ではトップ
ランナーとして取り組んだ。
②農薬は慣行基準より30%減、化学肥料は慣行より50%減。
堆肥等は米→畜産(和牛・馬)→トマト農家と地域での循環を
はかる。
③土壌の質を守るためにむやみに収穫量を上げず窒素肥料の
総使用量の上限値を守り地域の環境を守ることに徹している。
食の安全・安心をより確かなものに、自然との共生を
はかる環境保全型農業、新しい流通に関する取り組み。
①トレーサビリティのシステム構築
トマトの共同選果では困難といわれていた個人識別出荷を始
める。選果ラインを通過時 点でコンピューターが生産者を識
別するシステムを導入。産地としての責任を果たす取り組みを
はじめた。道内ではトップクラスの早さで導入。
②ダンボールの替わりにリターナブルコンテナを使用して出荷し
→二酸化炭素を削減する取り組みを、道内ではコープさっぽ
ろの宅配システム「トドック」とはじめた。
③農協の出荷時から最終の小口包装を行う。衛生面での安心感
や中間業者のコスト削減で流通拡大につなげる。これも新アイテ
ムとしてトドック他と取組を始めた。
④ホルモン処理による受粉からセイヨウオオマルハナバチによる
自然交配に移行。セイヨウオオマルハナバチの飼養には全国で
いち早く逃亡防止ネットの導入を行い、さらに蜂に関する公的機
関と連携した地域全体での生態調査活動の取り組みをおこなっている。
⑤適正農業規範の考え方を導入し生産の各工程ごとにリスクを最
小にする取組を始めている。蜂のネット展張査察など一連の活動記録。
⑥地域で作るクリーン農業協議会では米の農薬飛散リスクに関
する対策が協議されている。平取では米もトマトも作る農家が
大半で、事故が起きたら運命共同体だという認識を持っている。
「ラジコンヘリを隣接地域ごとに同一業者に同一農薬成分での
散布を委託」する仕組みを核に対策が行われている。これによ
り記録も完璧になった。
町、JA、生産者、種苗会社・公的機関の連携
①若手の後継生産者も育ってきている。
②町が農業支援センターを設立し土壌診断や新規就農者支援、
営農の個別指導、 新規就農者のリース団地の紹介などを行
っている。4組の都会から来た生産者紹介。
③国立大学など研究機関とも病害虫対策チームをたちあげた。
④タキイ種苗(本社京都)などと品種評価、品種動向についての
共同研究をおこなっている。
続く
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