前回はトマトの美味しさについてでしたが、今回は、「畑で完熟!」に
ついてです。生食用の大玉トマトの場合、品種によっては「畑で完熟!」
させたら売り物にならなくなるものもあるんです。そのお話をしましょう。
今日のテーマは熟度あるいは完熟ということについてです。
私たちが良く食べる緑色のピーマンは実は未熟なうちに収穫しているもの
なのです。ピーマンをずーっと樹につけて完熟させると色は赤くなります。
中華料理のチンジャオロースには「青」という字が使われておりこれは緑
のピーマンを使用しているという意味なんです。
産地交流会などで訪れた組合員さんにJA平取トマト部会の糸屋部会長
はよくこういう質問をされるそうです。「真っ赤になった完熟したトマトを
収穫しているとばっかり思っていました」。そいう質問があることから糸屋
さんは桃太郎トマトの特性について説明してくれました。
「はたして樹で真っ赤になったトマトは本当においしいんだろうか?
実際トマト作りをしている私自身、採り忘れの真っ赤になったトマト
は口にしません。程よく赤くなったものは食べますが」
*下記はトマトの色づき度合いのカラーチャート。
店頭あるいは食する時に最適な熟度から逆算して
指定された色廻りで収穫します。
その理由はこんなところにありそうです。
桃太郎系に代表される今のピンク系品種の収穫時カラーは昔と根本的
に違い「真っ赤に」なってからではなく、状況により指定カラーチャートで
やや青めで収穫されています。流通も近間(ちかま)が中心だった頃と
違い、遠距離への輸送も要求されるからです。
じつは桃太郎系のトマトは「未熟な状態で収穫」するのではなく、やや青め
ですが「体が出来上がっている適熟な状態」で収穫されています。
やや青いうちに糖度的にはもう決まっちゃっているんです。ここがポイント
なんです。
お客様に届いた時点で食べごろになるような追熟適性もある品種ですね。
桃太郎の出現によって、味の良さと、しっかりした果肉で棚モチがするよう
になったことからトマトの生産と消費は大きく伸びました。
この方法論はメロンについては食べごろ表示としてよく知られるようになり
ましたが、トマトについては消費者に伝えることが不足していたように感じます。
だから冒頭のような質問がくるんでしょうね。商品のランク分けの為に、
流通側が糖度の物さしとして「完熟」という表現を使用したことも
一因かもしれませんね。
メロンやトマトを美味しく食べるには、追熟という作業が必要です。追熟とは
体が出来上がった適熟状態で収穫した果実を一定期間置く事によって成熟
させ、可食に適するものにすることを言います。
メロンもトマトも品種により違いはありますが、追熟が進むにつれ果肉が
やわらかくなり、甘味が増すこともあります。また果皮の色も徐々に変化し、
香りも強くなってきます。購入後は見た目や触感、香りの変化に注意し、
好みにあった熟し具合で食べるといいでしょう。ただし追熟は適温
(20―30度C)で進行します。
未熟という言葉に対して完熟。収穫可能な熟度を適熟。完熟をすぎると
過熟。適熟なものを好みの熟度に追熟。。。。。。
イヤー面白いですね。
*このブログに使用している写真等はJA平取町、
および平取町野菜生産振興会トマト・胡瓜部会の
糸屋新一郎 部会長の協力を得て作成しています。