- 2008年10月14日 06:00
- トドック今週の新商品
まだ若い頃(10代の後半から20代ぐらいかな)。
自分は、意識して写真を嫌っていた。
シャッター音とフラッシュで、魂が抜かれるような気がするからだ。
・・・嘘です。
若気の至りと言うか、粋がっていたと言うか。
振り返って、懐かしがる過去があることをカッコ悪いと思っていた。
ひと言で言うと、
「過去を振り返っている時間などないぜ!」
・・・って、感じです。
そんな訳で、若い頃のスナップ写真(既に、懐かしい響きですが・・・)が手元に1枚もありません。
あの頃の写真は、全て捨ててしまった・・・。
"ロングバーケーション"のキムタクを真似て、ロン毛の茶髪にしていた頃も、
"ビューティフルライフ"のキムタクを真似て、ウェイビーなパーマをかけていた頃も、
全て、残っていません。
(いや~良かった!若気の至りというのは、恐ろしい・・・)
しかし、今は、写真の1枚ぐらい残しておけば良かったと思っている。
スポーツ選手の集合写真(ゲームのたびに)。
ロックバンドの集合写真(メンバーやツアーが変わるたびに)。
家族写真(節目、節目に)。
職場の部門の集合写真(年度か変わるたびに)。
等々。
これから友に生き、友に戦うメンバーとして、写真として記録して置くのも悪くないのではないだろうか・・・。
なんて考えている。
さて、
08年10月5週のトドックの新商品は・・・、
コレです!
"森町佐藤さんちのなべこわしつみれ"
・メーカー~ヤマホン佐藤商店
・規格~200g
・売価~298円
・加工地~森町
・原料原産地~かじか(北海道(道南)産)、にら(知内産)
すり身原料(タラとか)が高騰していると言う話で 、なんとか北海道の魚を使ってすり身が出来ないものかと、考えたのが発端です。
往々にして、相場が高くなると、価格を抑えるのに品質がダウンするケースがあります。
もし市場動向がそうならば・・・、
北海道産原料で作ったすり身に、チャンスが来るのではないだろうか。
「鍋セットに入っているツミレを作っているところがあって、そこで試作しましょう!
森町のヤマホン佐藤商店です!」
と、漁連さんの言葉に誘われて、たどり着いた森町。
森町と言えば、ご存知の通り、いかめしが有名です。
(今回は、いかめしの話ではありませんが・・・)
そうか。道南の魚か・・・。
ヤマホン佐藤商店で話を伺うと、なんでも道南で水揚げされるかじかのつみれがコクがあって美味しいとのこと。
むむむ、食べてみたい!
早速試食を。
「これが、落とし身です」
「これが、落とし身に頭の肉と肝を加えたものです」
「これが、落とし身に頭の肉と肝とニラを加えたものです」
と、食べ比べ・・・。
むむむ。
頭の中の出来の悪いコンピューターが、カタカタカタと音を立て、計算を始める。
かじか=鍋・汁に合う。
道南=知内のニラが有名。
知内のニラ=かき鍋と合うなら、他の鍋に合うはず。
かじかの落とし身+頭の裁断した身+肝+知内産ニラ=?
道南産の原料×道南産で加工=?
かじか=鍋こわし。
カタカタカタカタ。
計算して、僅か1分20秒で耳の穴から煙が出そうな状態だ・・・。
(いかんせん出来が悪いもので・・・)
プシュー。
・・・オーバーヒート。
その後、何を話したかは憶えていない・・・。
森町から帰って、しばらく経ったある日、ひとつのサンプルが届いた。
"道南産かじかつみれ"
ゆっくりと蘇ってゆく記憶。
・・・よし!早速試食だ!
汁にして、パクッ!
おっ!このコクは何だ?
「落とし身の他、頭の肉と肝臓を入れました!」
おっ!この独特の味わいは何だ?
「知内産のニラです!」
おっ!このふんわりとした食感は何だ?
「卵白を加えています!」
おっ!そして、この旨みの正体は何だ?
「すり身にせず、落とし身にしているので、道南産のかじか本来の味が出ているんです!」
ふー。
・・・美味い。
かじかの別名は、鍋こわし。
あまりの美味しさに、鍋が壊れるほど、箸でつついてしまうことから、その名がついたと言う。
"道南産かじかつみれ"だけじゃ、もったいない・・・。
"森町佐藤さんちのなべこわしつみれ"でいこう!
と、言う訳です。
もし・・・許されるなら・・・。
こんなシチュエーションで食べてみたい!
相手は、釈由美子似の女性。(君のことかもしれないぜ!←このコメント余計)
オレは、港町の外れでひなびた居酒屋をやっている。
夜になると、行き来する波の音と砕ける波の音しか聞こえてこない。
そんな寂しい町なのに・・・、
今夜もカランコロンと扉が開き、女が一人訪れる。
カランコロン。
「いらっしゃい」
白いコートを着た女が、白い息を吐いて、「一人だけど・・・いいかしら?」と言う。
若いが、雅な雰囲気のある美人だ。
しかし・・・どこか寂しそうで、今にも泣き出しそうな表情が印象的な女だと、オレは思う。
女に目で合図を送り、カウンターのストーブに近い席に座るように促す。
「寒かった・・・」と、女のつぶやき。
うつむいて、手を温めている。
「お客さん、ここの人じゃないね・・・。あなたみたいな美人は、この界隈じゃ、見かけたことがないな」
「・・・」
「お酒・・・飲むかい?」
女は、コクリとうなずく。
オレは、青森の地酒"田酒"の瓶の口を開け、コップに、コッコッコッコッと音を立て、注いでゆく。
「どうぞ」と渡すと、顔に似合わない飲みっぷりでコップを空ける。
「はー」と深い息、そして、「美味しい!」と笑顔。
泣き顔に似た、笑顔を持つ女・・・。
「お客さん・・・恋かい?」
「・・・」
何も言わないが、女は瞳を潤ませ、オレを見つめる。
「ここは、港。
飛ぶのに疲れたカモメが、羽を休めに来る場所です。
・・・ゆっくりと、休んでいって下さい」
と、昭和の雰囲気プンプンにオレは言う。
女が笑ってくれるだろうと期待したが、シリアスな表情で「ありがとう」と、つぶやいただけだ。
(こいつは、相当重症だな・・・)
「お客さん・・・。冷えた体と心を温めてくれる鍋でも食べますか?」
オレは、女の表情を確認せず、大きめのお椀をカウンターに置く。
フワ~ッ。
一瞬、溢れる湯気で女の顔が隠れる。
「うわー、美味しそうな匂い」
「食べてみて下さい。
これは、道南のかじかと知内のニラを使ったつみれの鍋です。
温まります・・・」
女は、つみれをひと口かじり、お椀に口を付ける。
汁がスーッと喉を滑ると、女の白い肌が緩やかに、そして、美しく波打つ。
「・・・あったかい」
「・・・心が・・・ですね」
女がオレを見つめる。
スーッと涙。
笑顔に似た、泣き顔を持つ女・・・。
一瞬の沈黙に、波の砕ける音が届く。
そんな寂しい町なのに、
いや、
そんな寂しい町だから・・・、
今夜もカランコロンと扉が開き、女が一人訪れる。
カランコロン。
「いらっしゃい」
・・・みたいな。(健さんモードのバカな妄想)
出番はすぐそこ!08年10月5週!
"森町佐藤さんちのなべこわしつみれ"よ、今こそ飛び出せ!世界が君を待っているぞ!
- 1つ新しい記事: 2008年MCEIアジア大会開かれる
- 1つ古い記事: じゃがバターもいいけどやっぱ塩辛でしょう!