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個室『銀杏の間』にて ~第七話~

EWF(アース・ウインド・アンド・ファイアー)のセプテンバーが聴こえている。

今日は、確か・・・土曜日。休日のはずだ。

ベッドでまどろんでいた私は、この曲が、ケータイの”着うた”だと気づくのに、ややしばらく掛ってしまった。

普段は、マナーモードにしているのだが、気づかないうちに解除をしたのだろう。

そうか・・・着メロは、EWFだったか、と懐かしんでいるうちに、切れてしまった。

AM11時27分。

着信メモリーを見る。

ナナコからだ。

 

ナナコから連絡があるのは、非常に珍しいことだ。

食事の誘いも、他愛もない会話も、メールも、大体、私の方からだ。

そのような状態なので、甘い期待を持ちながら、

ナナコのケータイに、TELを掛ける。

 

「ごめん。いっぱい買い物しちゃって」

ナナコの甘えた声だ。嫌味な感じがしないのがいい。

重たい荷物を持って歩きたくないので、車で家まで送って欲しい、ということらしい。

TEL越しの声は、想像力を必要以上にかき立てる。

髪をアップにして、タイトな黒いスーツを着て、疲れているけど背筋がシャンと伸び、おねだりの笑顔の唇のグロスが濡れている・・・。

大至急行かなくては!

ひと昔前のアッシー君というヤツだが、最近は、それぐらいの関係がちょうどいいような気さえしている。

 

薄いオレンジ色の初代ジェミニの4ドアセダン、5速マニュアルでナナコを迎えに行く。

以前、ナナコに、女性と会う時は、花ぐらい持って来るべきよ、みたいな事を言われたような。

・・・さすがに、花は照れくさい。

せめて、いいドライブになるように、ELT(エブリィ・リトル・シング)のCDをセットした。

昔、よく聴いていて、晴れた日に良く合う曲。出会った頃のように・・・か。

アクセルを踏み込む。古い車だが、ハンドリングのシャープさは健在だ。

 

人の行き交う駅前の交差点。

想像とは違い、ネイビーのサテン地のワンピースをレギンスでカジュアルに着こなしているナナコがいた。

紙袋をいっぱい抱えているので、小さく手を振って合図を送ってくる。

バックシートに紙袋を置いて、ナナコが助手席に乗り込む。

 

「ごめんね。ランチおごるから、許して!

ねぇ、何買ったか知りたい?発表しまーす!

ボウタイ付きブラウスは今年の流行、シルク100%だから光沢があって軽やかな素材なの。そして、深みのあるパープルが秋色のチュニックでしょ、ヒール8.5cmのTストラップのシャンパンゴールドのパンプスでしょ、それと・・・赤のエナメルのクラシカルな小バッグかな。

・・・ELTかぁ、懐かしいねぇ~」

 

買い物を終えたナナコは、いささかテンションが高い。それで、ランチはどこで?

「いつもの『割烹ゑびす』だよ」

えっ?ランチもやってるの?

 

銀杏の間も、昼と夜では、別の表情を持っている。

すりガラスの内窓を開け、外の景色を見えるようにして、開放的な雰囲気の空間を造り出している。

種類こそ少ないが、メニューもガラリと違う。

夜は、創作料理がメインで、ゆったりとした時間の流れを感じるが、昼は、洋食がメニューリストに並び、時の流れが慌しい。

客の入りはいいようだ。

早い時間なので、女将はいない。

 

メニューには、サンドウィッチ、パスタ、カレー、スープ、サラダ、ドリンク等のコンテンツが並んでいる。

恵比寿カーデンプレイスで食べた、新宿中村屋のチキンカレーが美味しかった、などと思い出しながら、

タラバガニのシーフードカレーも捨てがたいが、私は、スモークサーモンとクリームチーズのサンドウィッチとクラムチャウダーを頼む。

「私もそれにしよーっと!」

ナナコが微笑みかける。

160g  

クラムチャウダー。

アメリカ東海岸、ニューイングランドが発祥地。

二枚貝のクリームスープだ。

タマネギ、ジャガイモは必須素材。あさり、はまぐりがよく使われる。

白いクリームスープはニューイングランド風。マンハッタン風は、赤いトマトスープだ。

NY・マンハッタン・・・、憧れの単語だが、やはりクリームスープの魅力には負ける。

運ばれてきたのは、あさりのクラムチャウダー。

温めた牛乳の香りがいい。

私はクリームシチュー系の匂いを嗅ぐと、あたたかい食卓の風景が脳裏に浮かぶ。

この気持ちは、なんと言うか・・・郷愁・・・。

 

かあちゃーん!晩ごはんは、クリームシチューがいいなー!

言ったことのない台詞だが、何気ない夕焼けのシーンで、思わず叫んでしまいそうなほどだ。

クラムチャウダーとコーンクリームスープとミネストローネから、どれか一品お選び下さい、と言われたら、

間違いなく、クラムチャウダーを選ぶだろう。

銀色のスプーンでかき混ぜると、具材の密度とスープの濃度が伝わってくる。

ひと口・・・。

口中に広がる、あさりのエキスとみじん切りのタマネギ。それを喉の奥へと押し流す、程よい濃度の牛乳でまとめ上げたスープ。

・・・郷愁。

 

そして、このサンドウィッチ。

Dscn1541

スモークサーモンの場合は、ベーグル、フランスパン等の硬めのパンがマッチする。

隙間からチラリと顔をのぞかせている、このスモークサーモンは・・・紅鮭。

ガブリとひと口!

上品だ!これぐらいの脂の感じがいい。ギトギトではなく、シットリとしている。

スモークのクセのない、この風味からすると・・・山桜のチップを使っているな。

口当たりの良さは、冷燻だ!多分・・・間違いない。

20℃ぐらいの低温で、じっくりとスモークと乾燥の工程を行っているからこそ実現するこの食感!

産地は・・・アラスカか?・・・アラスカ・・・。

 

そう言えば、MSCマークって知ってる?

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「吉本の養成所だっけ?あれは、NSCか。MSCは・・・、えーと・・・海のエコマーク?」

おっ!いい線だ!

マリン・ステュワードシップ・カウンシルの頭文字を取って、MSC。

NSCは、吉本総合芸能学院。ちなみに、ニュー・スター・クリエーションの略。じゃあ、WWFは?

「世界自然保護基金」

即答!ワールド・ワイド・ファンド・オブ・ネイチャーの略だ。

世界最大の民間自然保護団体で、パンダのイラストがデザインされたマークを、一度は見たことがあると思う。

NGO。ノン・ガバメンタル・オーガニゼーションの略で、非政府組織だ。

MSCは、WWFが推進している海洋管理協議会。

MSCマークは、海の環境を保全しながら、天然の海産物を持続的に利用していくために、計画的に漁をしている製品を認証して、環境に配慮している商品であることを知らせるものだ。

う~ん、難しい・・・。

背景には、危機に立つ、海の資源の問題がある。

トロール船の各海域での広範な操業。生態系の破壊。乱開発と水質汚濁。エルニーニョ現象による海水温の上昇等。それらが、複合的に作用している。

 

今、私に出来ることと言えば・・・エコロジー、ECO。

「なんだか、アルファベッド三文字ばかりで、分かりづらーい!」

ちょっとイラッとしたナナコの表情だが、それも一瞬。すぐに、大きな口元で、私に笑顔を向けてくる。

「クラムチャウダーって、なんだか懐かしい味がするよね」

そんなナナコにTKO!みたいな・・・。

 

「牛乳でつくるクラムチャウダー」は、トドックでお求めになれます。

Dscn1518

アラスカ産の「COOP紅鮭スモークサーモン切り落とし」、「COOP紅鮭すじこ醤油漬」にMSCマークが付きます。10月以降のご注文でお届けになりますので、紙面で見掛けたら、是非!

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